PENTAX 17レビュー|話題のフィルムカメラの魅力とは?

kanako
PENTAX 17レビュー|話題のフィルムカメラの魅力とは?

はじめに

こんにちは。kanakoです。

今回は、話題の「PENTAX 17」を使った記事です。今年の7月12日に、ペンタックスから約21年ぶりに新発売されたフィルムカメラです。また、ハーフサイズフォーマットで通常の2倍撮ることができます。PENTAX 17の魅力について書いていきます。最後まで読んでもらえたら嬉しいです。では、さっそく見ていきましょう。

機材紹介

PENTAX 17(イチナナ)

型式 ハーフサイズレンズシャッターフィルムカメラ
画面サイズ 24×17mm
使用フィルム 35mmフィルム ISO50, 100, 125, 160, 200, 400, 800, 1600, 3200
感度設定 フィルムに合わせて手動設定
フィルムの入れ方 イージーローディング方式
巻き上げ レバーによる手動巻き上げ
巻き戻し クランク式手動巻き戻し
レンズ HD PENTAXレンズ
焦点距離 25mm (35mm判換算値37mm相当)
開放F値 F3.5
最大撮影倍率 約0.13x (0.25m時)
ファインダー内表示 視野枠, 近距離視野補正枠(クローズアップ時),ゾーンフォーカスマーク確認可能
ファインダー右横 青ランプ表示:警告系表示
橙ランプ表示:フラッシュ系表示
ピント合わせ ゾーンフォーカス(手動選択方式)
切替ポジション 6ゾーン(0.25m, 0.5m, 1.2m, 1.7m, 3m,∞)
測光方式 部分測光
露出(撮影モード) フルオート撮影, 標準撮影, 低速シャッター撮影, 絞り開放優先撮影,
バルブ撮影, 日中シンクロ撮影, 低速シンクロ撮影
シャッタースピード 1/350秒~4秒、バルブ
使用電池 3Vリチウム電池 (CR2) 1個
電池寿命 約10本(フラッシュ50%使用・36枚撮フィルム使用時)
質量 290g(フィルムと電池を除く)

使い方

PENTAX 17の特徴でもある、7つの撮影モードと6つのゾーンフォーカスについて詳しく見ていきます。撮影を始める前にこれらの機能について知っておくと失敗もかなり減ります。

撮影モード

撮影モード 説明
AUTO
フルオート
フォーカス固定。露出は自動で判断し、暗い時にはフラッシュが自動発光。カメラの設定を意識せずに撮影可能。
P
標準
フォーカスはゾーンフォーカスから自分で選択。露出自動。フラッシュ×
低速シャッター フォーカスはゾーンフォーカスから自分で選択。フラッシュ×
BOKEH
絞り開放優先
フォーカスはゾーンフォーカスから自分で選択。フラッシュ×
B
バルブ
フォーカスはゾーンフォーカスから自分で選択。長時間露光可能。フラッシュ×
日中シンクロ フォーカスはゾーンフォーカスから自分で選択。露出自動。フラッシュ○
低速シンクロ フォーカスはゾーンフォーカスから自分で選択。フラッシュ○

ここで注意点としては、BOKEH(絞り開放優先)モードで撮影したからといって、このカメラの開放F値であるF3.5で撮れるとは限りません。シャッタースピードが最大1/350秒なので、入れたフィルムの感度でも変わってきます。

ゾーンフォーカス

ゾーンフォーカス 説明
遠距離 5.1m~無限大(風景・遠くにあるもの)
中距離 2.1m~5.3m (集合写真・被写体からやや離れた距離)
近距離 1.4m~2.2m (身の回りのものをスナップ撮影など)
至近距離 1.0m~1.4m (より近くで撮影できる)
テーブルフォト 0.47m~0.54m (カフェやレストランなど)
マクロ 0.24m~0.26m (花や小物などの小さい被写体)

このように被写体との距離感に合わせて、ゾーンフォーカスを設定していきます。
右の写真はファインダー内の写真です。自分が今どのフォーカスで撮影しているのか、確認することができます。また、マクロ撮影する際は付属のストラップ(約25cm)を使い、被写体との距離を測ることもできるのでとても便利です。

作例

では作例をご覧ください。
使用フィルムは、Lomography Color Negative 100です。

広角レンズで街撮りを楽しむ

P標準・遠距離

レトロな建物や街並みが好きです。

駅の待合室に向かって伸びる階段に惹かれました。放射線構図で奥行きを感じられます。
25mm(35mm判換算値37mm相当)なので、風景に被写体を入れての撮影ができます。

P標準・中距離

街を歩いていると見つけた、フォントが昔ながらの看板。さびれたシャッターの開き具合が絶妙で花たちを魅せるパフォーマンスのように感じました。

シャッターから向かい側までの距離は約4m程です。距離は、大体これくらいかなと考えながら、中距離モードに設定しました。

P標準・至近距離

植物と黄緑の柵、そして黄色のコーンと赤色のシール。
全て原色が集まっており、アクセントが効いています。

いつも使用するフィルムカメラは、ピントリンングを回しながらピント合わせをしていますが、PENTAX 17はピントがゾーンフォーカス式のフィルムカメラなので、目にピントが合うのか少し心配でした。でも距離設定を間違わなければ、ピントがしっかりと合うので安心して撮影できます。

旅の記録として

P標準・近距離

大分にこのイチナナを持って旅に出掛けました。
喫茶店で友人とケーキを食べた時、外の窓枠から撮影した1枚。

約2メートル程だったので、ゾーンフォーカスを近距離で撮影しています。サクッと撮った1枚で、この操作に慣れると素早く撮影することができます。

P標準・テーブルフォト

大分といえばとり天が有名です。
念願のとり天だったので、記念に1枚撮影しました。

PENTAX 17は、ゾーンフォーカスのマーク部分にテーブルフォトがあります。0.47m~0.54m程離れて撮影しています。

P標準・遠距離

夏といえば島旅に行きたくなります。
漁港に車を停めてのんびりしていると、白い鳥が飛んでいるのを見つけ、慌てて車を降り撮影しました。

飛んでいる鳥をフィルムで撮るのは、なかなか難しいと思っていたのですが、羽を広げて飛んでいる瞬間が撮れたので感動でした。

P標準・遠距離

海に向かう途中で出会った松の木と細道。
穴場を見つけるとすかさず撮影しています。

この時は、続く道を表現したかったので、ゾーンフォーカスを遠距離に設定しています。

マクロ機能でクローズアップできる

BOKEH・マクロ

よく花を使った撮影をしています。
ダリアの花束と旧車を使い撮影した時の1枚。

ゾーンフォーカスをマクロ(0.24m~0.26m)に設定しました。
付属のストラップが約25cmで、ストラップで距離を計ることができるので失敗も減ります。

BOKEH・マクロ

雨の日、草原で撮影しました。
旧車のミラーと水滴が可愛らしいなと思いシャッターを切りました。

先ほどのダリアの花よりも細かいものでも、このマクロ機能だとクローズアップした写真が撮れるので、今度は花と水滴を撮影してみたいです。

手軽にストロボが使える

低速シンクロ・遠距離

家の近くの駅から見る空が好きでよくこの場所を訪れます。

ストロボがないと、ISO800~1600あたりのフィルムを入れる必要があります。撮影モードを低速シンクロに設定し、撮影しました。このモードは、手前の被写体を明るく撮影することができます。

日中シンクロ・テーブルフォト

夕方の7時ごろ、カフェでパスタを食べた時の1枚。

少し薄暗い空間でしたが、日中シンクロモードでフラッシュを焚き撮影しました。後ろの背景も白飛びせず残すことができています。

ブレ写真で躍動感を

バルブ・遠距離

暗くなってきた頃、歩道橋から行き交う車を見るのが好きです。
遊び心のあるブレ写真を撮ろうと思い、バルブ機能に設定して手持ちでカメラを左右に自由に動かしながら撮影しました。
 
バルブモードは、長時間露光ができるので花火撮影などにも大活躍してくれます。

おわりに

いかがでしたでしょうか?

今回は、PENTAX 17を使った『話題のフィルムカメラの魅力とは?』についてご紹介しました。

フィルムが高騰している中、フィルムを始めるか悩んでいる方も多いかと思います。
このカメラは、ハーフサイズフォーマットで通常の2倍撮ることができるのでコスパ最強です。

イチナナの特徴である複数の撮影モードとゾーンフォーカスを使いながら撮影しました。このカメラ1つで遠距離からマクロまで撮れるのは、撮影の幅が確実に広がるなという印象を受けました。操作に慣れれば、素早く撮りたい瞬間も逃さず撮ることができるので、初心者の方に特におすすめしたいカメラです。軽量なので、どこにでも持ち歩くことができます。そんな魅力溢れるイチナナを旅のお供にいかがですか?

是非、皆さんもPENTAX 17を使って撮影なさってみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

■写真家:kanako
1995年生まれ、長崎県出身。2020年、Canon fotomoti×curbon主催の次世代スター発掘キャンペーンにて、次世代スターに選出。陰影をテーマとしたポートレートを中心に独自の世界観を演出している。

 

 

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