常に持ち歩きたくなるOLYMPUS PEN EE-2の魅力

kanako
常に持ち歩きたくなるOLYMPUS PEN EE-2の魅力

はじめに

こんにちは。kanakoです。
今回は「OLYMPUS PEN EE-2」を使った記事です。1968年にオリンパスから発売されたハーフカメラで 、私が7年前に初めて買ったフィルムカメラです。常にリュックやポケットに入れて持ち歩いています。そんなお気に入りのカメラの魅力について書いていきます。最後まで読んでもらえたら嬉しいです。では、さっそく見ていきましょう。

機材紹介

OLYMPUS PEN EE-2の性能について紹介します。
1968年5月に発売され、とにかくコンパクトで操作が簡単なハーフカメラです。

レンズ D.ズイコー 28mm F3.5
シャッター オリンパスシャッター(自動)プログラム式 EE 1/30秒・ 1/250秒(手動)1/30秒 シンクロX接点
ファインダー ブライトフレームファインダー0.5倍 露出不足時警告マーク付き
手動絞り目盛 F3.5~22
フィルム装填 ELシステム
フィルム巻上げ リヤーワインディング, セルフコッキング , 自動 巻止 ,二重防止, 二重巻上げ防止
フィルム巻戻し クランク式, 巻戻しボタンセット式
ピント調節 固定焦点式(1.5m~∞∞
フィルム感度目盛 ASA25~400
電池 不要
大きさ・重量 108×65×42mm, 335g

使い方

フィルム感度をはずす

ASA環(絞り環)を回して、フィルム感度(白い文字)を中央指標からはずし、適当な絞り数値(橙色の数字)に合わせます。フィルムを入れるときフィルム感度をはずすと、EEシステム(自動露出調整機構)が解除になります。

 

 

フィルム感度を合わせる

ASA環(絞り環)を回して、使用するフィルム感度(ASA)に合わせます。

 

 

ピントについて
OLYMPUS PEN EE-2は、いつでも1.5mから無限遠まで全部ピントが合うように設計されています。写すものは、1.5m以上離れた距離のものを選びます。特に4m位の被写体が、一番ピントがよく写るようになっています。逆に手前をボカしたい時は、1.5m以内にボカしたいものを持ってくると意図的にボカすことができます。

4m位のところにはピント合うが50cm位のところにはピントが合わない

 

 

赤ベロについて

室内を撮影しようとした際のファインダー内を撮影しています。写したいものが暗すぎると、赤いマーク(赤ベロ)がでて、シャッターは切ることができません。このような場合は、フラッシュ撮影をするか明るい場所での撮影をお勧めします。

 

 

手ブレについて

早朝の渓谷で撮った写真ですが、ブレているのが分かります。暗めの場所では、手ブレがおきやすくなります。

作例

では作例をご覧ください。使用フィルムはKODAK PORTRA160です。
2枚1組の画像はカメラのキタムラとPrism Lab.KICHIJOJI、1枚ずつの画像はフォトデポ彩色兼美で現像しています。

組み写真でストーリー性が増す

穴場の桜並木で撮影した2枚。桜を見上げる友達と、見上げていた景色をセットにしています。桜とOLYMPUS PEN EE-2の組み合わせは、特に儚さを表現できるので好きです。

11月上旬に佐賀で開催されたバルーンフェスタの2枚。バルーンが膨らみ、少しずつ上がっている写真と、複数のバルーンが空に高く上がった1枚。左の写真は逆光、右の写真は順光で撮影しています。

1枚を2組で見せると、本のような感覚を味わえるので魅力的です。私は2枚の組み写真にする際に、「2枚が同じような写真になっていないか」「対比はあるのか」「2枚の距離感の違い」などを意識するようにしています。

柔らかい光

朝日と、食事をする羊たちを撮った2枚。
全体が白飛びせずに、光を捉えています。

OLYMPUS PEN EE-2の魅力といったら、なんといっても柔らかい光です。柔らかい光があって、更に羊のふわふわ感が引き立っています。ここで、硬そうな生き物を(例えばハリセンボンなど)撮っていたら、また違った描写になるなと考えました。カメラの性質を最大に生かして何を撮るのかが重要です。色んなハーフカメラがありますが、他のカメラでは表現しにくい光の質感だと思っています。

曖昧な表現

去年の秋ごろに撮影した2枚。
毎年、コスモスの時期になると同じコスモス園に足を運んでいます。

デジタルカメラの場合、はっきりと写りすぎてしまいますが、このフィルムカメラだと、花の輪郭を残して曖昧な表現が可能です。フィルムで曖昧な表現をしたいという方にはとてもおすすめです。

1枚目は16時頃の逆光で撮影しており、花が2/3、光は1/3くらいになるようにアングルを調整しています。2枚目はサイド光で撮影しています。

1枚で魅せる日常の記録

車で通った際、ナニワイバラを見かけてUターンし撮影した1枚。なかなかこのお花は見かけることが少ないので、出会ったらそのチャンスを逃さないようにしています。シャッターを押すだけで操作が簡単なので、急いでいる時でもサクッと正確に撮ることができます。1枚で切り取ると、他のカメラでは表現できない質感を味わえるので特に好きです。

時々実家に帰っていて、母が箸を洗っているところを撮影した1枚。
水色のボールと奥の黄緑のもの、まな板に差し込む光の絶妙なバランスに惹かれました。
室内でしたが、窓側から光が入ってきたのでフラッシュなど使わずに撮影ができました。

手軽に持ち歩ける

去年の夏、マリンスポーツをしに壱岐に行った時に撮影した1枚。
ポカリと日焼け止めとOLYMPUS PEN EE-2を入れて海に向かったのですが、コンパクトかつ軽量なのでどんな時も持ち歩けるなと実感しました。これから夏の時期も大活躍してくれそうです。

窓から差し込む朝日が綺麗で、撮影した1枚です。いつでも撮れるように窓の横にカメラを置いています。
この写真は特に、明暗差が印象的です。ハイライトが強く輝度も高く出るので、明暗のある場所では、撮影時に明暗のバランスを意識しながら撮影するようにしています。

新幹線から見た街並みを撮影した1枚。
街並みに沿うように上にある雲がいいなと思い、シャッターを切りました。
窓越しに撮ると、中が反射して映るのが好きです。風景+α(この場合は反射を利用)で、その時にしか撮れない写真を残すことができます。

徳島県に旅行へ行った際撮影した1枚。
看板にかかる影、木やブロック塀の伸びる影に惹かれました。
10時ごろ、サイド光で撮影しました。影の質感はしっかりでているのが分かります。ハイライトは輝度が高めで、シャドウ部分は比較的落ち着いているのが印象的です。

おわりに

いかがでしたでしょうか?今回は「OLYMPUS PEN EE-2」についてご紹介しました。
1968年に発売された、通常の2倍撮影できるコスパ最強のハーフカメラです。50年以上前のカメラなので、本体やレンズの個体差は大きいかと思います。

このカメラを常に持ち歩きたくなる理由は、「コンパクトで操作も簡単」「組み写真でストーリー性が出る」「描写の淡さ・光の柔らかさ」が魅力的だからではないかと考えました。写したいものが暗すぎると、赤ベロが出てシャッターが切れなくなるので、失敗を防ぐことができます。撮影する際は、距離感1.5m以上を頭に入れておくことがポイントです。

これらのことから、フィルム初心者の方も使いやすいカメラでおすすめです。ぜひ皆さんも散歩や旅行などに持ち歩いて撮影なさってみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

■写真家:kanako
1995年生まれ、長崎県出身。2020年、Canon fotomoti×curbon主催の次世代スター発掘キャンペーンにて、次世代スターに選出。陰影をテーマとしたポートレートを中心に独自の世界観を演出している。

 

 

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