意外と知らない撮影前の基本のき|カメラ用語を正しく理解しよう vol.8

ShaSha編集部
意外と知らない撮影前の基本のき|カメラ用語を正しく理解しよう vol.8

はじめに

こんにちは! ShaSha編集部です。いつもご覧いただき、ありがとうございます。

ShaShaはご存じのとおりカメラやレンズなどの機材、また撮影方法などを写真愛好家の皆さまに紹介するサイトです。毎日更新される記事内では、少し難しい専門用語がたくさん飛び交っていますね。もちろん内容をすぐに理解できる写真上級者の方も多いかと思いますが「それってなんのこと?」と、?マークが出ている読者の方もいらっしゃると思います。

このシリーズではそんな初心者の方に、つまずきがちな写真用語をわかりやすく解説していきたいと思います。「なんとなくはわかってはいるけど……」という方も、用語をきちんと理解できると写真生活がますます楽しいものになるはずです。
もちろん中・上級者の方も、おさらいに是非読んでみてくださいね。

撮影前に知っておきたいこと

カメラ用語シリーズではカメラの基本的な使い方から上手に写真を撮る方法をお伝えしてきました。お読みになっていただいた皆さんはきっと写真が上達してきたことと思います。

今回は、さらに基礎となる撮影前に知っておきたいことや撮影マナーについてお話しします。良い写真を撮るためにとても大切なことなので早速チェックしていきましょう!

カメラの構え方

まずはカメラの構え方について。右手でカメラボディのグリップをにぎり、人差し指をシャッターボタンの上にのせます。左手はレンズを下から支えるように持ち、親指と人差し指、中指を使いズームの操作を行います。オールドレンズなどは絞りやシャッタースピードも左手で操作します。

カメラを構える時は手ブレしないように両脇を締めて、カメラとレンズをにぎりましょう。
縦構図にするときは、シャッターボタンが上か下にくるようにカメラを縦に使います。どちらを上にしても横位置同様に両脇は締め、脚は肩幅程度に開きます。

両脇が開いているとカメラが安定せずブレの原因になる

しっかりと脇を締めてカメラを安定させる

脚は肩幅程度に開く

次にファインダーののぞき方です。
見やすいほうの目でファインダーを真正面からのぞきます。片目でものを見たとき、両目で見た時と同じ状態で見られるほうが利き目で、利き目でないほうで見ると両目で見た時と比べて視界が少しずれて見えますが、ファインダーが見やすければどちらでも構いません。

なるべくファインダーに目を近づけることで正面から見やすくなります。もう片方の目は開けていてもつぶっていても大丈夫です。

もう片方の目も開けていると周囲の状況を確認することができる

液晶モニターを使用するときは、見やすいところまで手を伸ばして撮影します。この時も手ブレしないように脇をしっかりと締めましょう。液晶モニターは明るいところなどでは見えづらいことがありますが、可動式の液晶モニターなら見やすい角度に調整することができます。

ストラップを引っ張った状態で撮影するとブレ防止になる

カメラの持ち運び方

カメラを持って移動するときには、バッグに入れるか首から下げるのが基本ですが、肩にかける時はレンズが自分に向くように持ち歩きます。レンズに傷がつかないようにするのはもちろん、周囲の人やものに当たらないようにするための配慮でもあります。特に子供の頭の高さに近くなるので注意が必要です。またお店の中で商品にあたってしまうなどのトラブルがありますので、持ち運ぶ際にはカメラを持っていることをしっかりと意識しましょう。

レンズが外側に向いていると周囲の人やものに当たってしまう

レンズを自分のほうに向けて持ち歩く

レンズ交換の注意点

意外と気にしていないのがレンズ交換のときのゴミ防止対策。レンズを交換するときには、カメラの正面を下向きにして交換します。なぜなら上に向けて交換するとゴミや埃がカメラ内に入りやすくなるからです。また交換時にはカメラの電源を切ることを忘れずに。静電気が起こりやすくなりゴミや埃を寄せ付けます。

さすがに強風や砂埃などが舞うところでは気になるものですが、普段は何気なく交換している人が多いと思いますので気を付けましょう。

カメラの正面を下側に向けてレンズ交換する

カメラやレンズの掃除方法

カメラやレンズにゴミや埃がくっついてしまった時には、ブロアーという空気の力でゴミや埃を吹き飛ばすグッズを使います。写真の丸い部分をにぎると空気がシュッと出るしくみです。

空気の力でゴミを吹き飛ばすブロアー 

ブロアーでとれないような汚れがついてしまったら、クリーニングペーパーやシリコンクロスで拭き取ります。レンズの表面に指紋がついてしまったときなどにも拭き取りましょう。毎回撮影後に、簡単でいいので掃除できると良いです。

もしイメージセンサーに汚れやゴミが付着してしまった場合、簡単にとれないようであれば専門の業者にクリーニングをお願いすることをオススメします。カメラの心臓部と言われる部分ですから、もし傷でもついてしまったら取返しがつかないことになる可能性があります。

カメラやレンズの保管方法

カメラやレンズにもカビが生えます。特にレンズの内部に生えやすく、風通しが悪く湿度の高い場所に長時間保管することはNGです。また湿度の高い場所で撮影した場合にも、撮影後はしっかり乾燥させます。高価なカメラやレンズですから、大切に保管したいもの。防湿庫に入れて保管できるとベストです。

内部の湿度を保ち機材を守る防湿庫

三脚の組み立て方

三脚には脚ロックという、脚を伸ばしたり縮めたりする部分が3~4カ所ほどあります。回転式やロック式のものがありますが、どちらも一番上のロック部から使います。三脚の構造上、下にいくほど脚が細くなっていくので、カメラを安定させるために太いほうから伸ばします。またロック部分はしっかり締めましょう。ゆるいままだとカメラの重みでシュルシュルと短くなっていってしまいます。

一番上のロック部から伸ばす

撮影に行く前にチェック!

バッテリーは予備のものがあるとベストですが、ない場合には撮影前にしっかり充電していきましょう。特にミラーレスカメラはバッテリーの消耗が多いので、あっという間に減っていきます。SDカートなどのメディアのデータ残量を確認しておくことも忘れずに。

撮影前にバッテリーがない!などと慌てないように

みんなで気を付けよう!撮影マナー

ほかにも撮影するときに知っておきたい基本的なマナーがあります。

●知らない人を撮るときにはひと声かける
知らない人の写真を撮るとき、その人が誰だか特定できるようシチュエーションである場合、ひと声をかけるようするのがベスト。ペットを撮るときも同様です。撮ってから声をかける場合もありますが、トラブルになる可能性もありますので注意しましょう。

●知っている人でもSNSやHPに勝手に掲載しない
友人などでも、SNSなどに写真を掲載する場合には本人に了承を得るようにしましょう。了承を得ても、本人を侮辱するような写真はNGです。

●立ち入り禁止区域や私有地には入らない
撮影していなくても当然のことですが、撮影に夢中になると気づかないこともあるかもしれないので気を付けましょう。

●自然環境を守る
特にネイチャーフォトなどを撮る場合に、自然環境を壊さないように配慮することが大切です。国立公園などでは木道や歩道から外れることは禁止です。また三脚の使用も植物などに影響がないか確認します。

●動物を撮影するときの注意点
野生動物に限らず、お散歩中の犬などを撮影するときにも注意が必要です。大きな音をたてたりストロボをたくことはNGです。急に近づいてびっくりさせないなどの配慮をしましょう。もちろん追い回したりしてはいけません。

●ストロボを使うときの注意点
強い発光をしますので、鳥や動物を撮影するときはストロボを使わないようにします。また子どもの発表会や講演会など、舞台を撮影するときにも注意が必要です。

●多くの撮影者がいる時には場所を譲り合う
人気の撮影場所では多くの人が撮影チャンスを待っています。良いポジションをとることができても独り占めにならないよう、譲り合いの精神をもって撮影を楽しみましょう。また、一般観光客の邪魔にならないようにも気を配ります。

●ショーウィンドウやデパート店内の撮影は許可が必要
デパートなどでは、ショーウィンドウや店内の撮影にも許可が必要になります。カフェなどでスイーツを撮影したりする際にも、できればお店の方にひと声かけ、ほかのお客さんの邪魔にならないようにします。

●美術館などでは基本的に撮影禁止
美術館などでの撮影は著作権の侵害になりますので、撮影OKと書かれている以外は禁止になります。また七五三などで訪れる神社も撮影禁止のところがありますので、事前に確認するようにしましょう。

おわりに

今回は撮影前や撮影以外にも覚えておきたいことなどをお伝えしました。基本をしっかり身につけることで、さらに良い写真が撮れるはずです。そして、みんなでマナーを守って気持ちよく楽しく撮影できるといいですね。

いかがでしたか? 理解できた方も、そんなこと知っているよという方も、なにかしら参考にしていただけたら幸いです。
それでは今日も楽しく撮影に出かけましょう! カシャカシャ!

 

 

■人物撮影:簗田郁子

 

 

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